戦略的ケータイ関係

 最近の日本の携帯電話は、グローバル機能のついた機種がほとんどだろう。外国から電話することができるし、メールだってできる。
 僕も中国では重宝した。とくにメールは便利だった。
 ところが中国国内では、当然のことながら中国の携帯電話のほうが使い安いので、結局いつも2台持ち歩いていた。
 日本へ日本語でメールしながら、一方では中国人へ中国語でメールする、という忙しい状況がときどきあった。そんなときは、日本語と中国語の頭の切り替えスイッチが途中で壊れてしまって、おかしな文章を発信したような記憶がある。
 帰国して困ったのが、中国語メールのほうである。「今何してるの?」「ラーメン屋にいる」「何食べてるの?」「激辛担々麺。マジうめえ!」などというメールのやりとりを中国人とはしないが(日本人ともしないが)、携帯でメールができるとやはり便利である。
 中国へはパソコンを使わないとできない、という事実は、もはや時代おくれであろう。いくらなんでも、世界の草木が中国へなびくというこのご時世に、彼の国と戦略的互恵関係を築きあげている我が国として、これでいいのか。
 と思って、僕が使っている携帯通信会社エーuへ問い合わせてみた。
 従来の機種(スマートフォンではないやつ)には中国語入力機能はない、という返事が即座にあった。しかし、スマートフォンなら、その機種で使えるアプリに存在するかもしれない、という回答だった。
 でも、それ以上はうち(エーu)の責任の範囲外だから知らないよ、ということで、結局は要領を得ない対応だった。
 スマートフォンというのはパソコンのようなものらしく、現在急速に携帯電話市場はそちらに移っているらしい。あのパコッと開くタイプの携帯も姿を消しつつあるようだ。
 でもおそらく、パソコン関係が苦手な人にとっては、敷居が高いのではなかろうか。値段も高いし重いし、とても “スマート” とはいえない。
 なんて思いつつ、今はパソコンでメールを打っている。
 おや、簡体字のメールが来た。ふむ、なになに……「吃饭了吗?(ご飯食べた?)」(^_^;
(photo:能登、崩落した「ヤセの断崖」)