連休地獄

 中国は今大型連休中である。いわゆる “十一” と呼ばれている、国慶節休みである。
 こんな時期に旅行などに出かけるのは愚の骨頂であり、疲れて散財して消耗して終了である。賢い選択ではなさそうだ。
 僕は今泉州にいる。じつは、その賢くない選択をしてしまった。後悔はしていないが、やはり多少あなどっていた。
 泉州は第一級の観光地とはいえないので、ここに人が集まるわけではないが、やはり道中の人の渦は半端ではなかった。
 今回は上海浦東空港から、まず福建省省都である福州市に入った。30日の夜である。福州は、泉州に住んでいたころ、一度は行ってみたいと思いながら、ついに果たせなかった地である。
 その福州長楽空港から市内までは50kmあまりある。バスで移動するのだが、バスに乗り込むまでが難行苦行だった。要は、順番の列についていても意味がないのである。
 1日は、バスで泉州まで移動した。福州のバス駅は、帰省する学生たちなどで阿鼻叫喚の人地獄であった。事前にバスチケットを手に入れておいてよかったのだ。
 この手のバスは高速道路をぶっ飛ばすので、ヒヤヒヤもんの旅であるが、途中横転したトラックや追突した車の事故などを尻目に、なんとか泉州にたどり着いた。
 その夜、泉州でお世話になった中国人先生と再会した。ところが、再会の喜びもつかの間、その先生の指摘で僕は青ざめ、安堵感から忘れていた疲れが一気に全身にのしかかってきた。
 泉州からの帰りも福州に寄って一泊する予定にしていたのだが、泉州から福州への移動手段を確保していなかったのである。連休中の移動日にあたらないと判断して、タカをくくっていたのだ。
 しかし、先生が調べてくれた高速鉄道の臨時列車のチケットを、今朝確保できた。危ないところだった。速攻で買いに行って助かった。
 そんなわけで、やっぱり旅行は波乱含みである。4〜5日、泉州に滞在する。(O_O)
(photo:福州市の「三坊七巷」にて)