甲子園という興行
中国へは野球のグローブを2つ持っていった。学生とキャッチボールでもしよう、と思っていたのだが、ほとんど使用されずに持って帰ってきた。
彼らにとって、野球はなじみがなく未知の領域だった。加えて、僕の勤めていた学校には女子が多かった、という理由がある。それに、キャッチボールする適当なスペースがなかったことも、普及をさまたげる原因だった。
甲子園では今、全国高校野球選手権が行われている。昨日は、我が郷土の代表、金沢高校が2回戦を勝ち上がった。金沢高校に限らないが、我が代表は例年ならせいぜい2回戦止まりである。
それがどうだ。福島県には申し訳ないが、今年はすでに堂々の3回戦校である。
しかし、かねてから疑問に思っているのだが、どうして過酷な真夏の炎天下で試合をするのか。甲子園が、信州や北海道にあるのなら、やる方も見る方も涼しげだが。
気候も問題だが、あの野球のコスチュームというのは、トックリ(といってもわかるかなぁ)のようなアンダーウェアを着用したり、ズボン(といってもわかるかなぁ)の下に分厚い半ズボンパンツをはいたりと、暑苦しいことこの上ない。
まあ最近の繊維事情は長足の進歩をとげているから、見た目より涼しいのかもしれないが。
いずれにしても、ピーカンの空のもと、グランドやスタンドから発する若者の熱気は、甲子園の暑さを増幅させるはずだ。試合をテレビで見ているだけで、こっちが暑くなって熱中症になりそうだ。あれでは、古代ローマのコロセウムではないか。
たとえばさぁ、大阪ドームですればいいじゃないか。
ーーなんていうと、各方面から袋だたきに遭いそうだ。だいたい選手から怒られそうだ。「自分はぁ、甲子園しか認めないっス」などと、体育会系の少年はきっぱりいうだろう。
まあ彼らも、そういう殺人的な暑さに耐えられるように鍛えているだろうから、あまり余計なことはいうまい。
とにかく、これだけ型にはまってしまったイベントだから、いまさら変更はむずかしかろう。あの大新聞社を筆頭に、いろいろ利権もあるだろうしなぁ。
そんな、いろいろ腑に落ちないことを考えながら、やっぱり今大会の郷土代表校を応援するのである。(^_^;
(photo:金沢市内にて)