ダイエットなら中国

 中国での一年で6kg痩せた。もともと痩身体だったのがさらにスリム化した。要するに、家人の表現を借りれば、「ガリチョボ」ということらしい。
 ガリチョボの語源はよくわからないが、とにかく、ひょろひょろで力強さが感じられない人(または状態)を差すようだ。
 現地では、体重を測る機会も器械もなかった。体重を測るような器械が、どこにもないのである。奇怪だった。
 ときどき、街の薬局の前に体重計が置かれていた。日本ではもう見られない古くさいタイプのやつが多く、ある店の前で一度乗ってみると、僕は10kg痩せたことになってしまった。
 痩せた、という自覚症状はあったが、いくらなんでも10kgはないだろうと思った。しかしもしかして、人知れず何か得体の知れない病魔に犯されたのではないかと急に心配になって、あわてて他の薬局をさがした。
 2度目は納得できる範囲だった。けっこう緊張した。すでに病人気分になりかけていたから、そこでも同じ結果だったら、おそらく「妈妈〜」などと叫んでバタリと倒れていたかもしれない。
 ……あ、それではマザコンである。訂正。おそらく「◯◯(連れ合いの名)〜」などと叫んでバタリと倒れていたかもしれない。
 いつぞやは、有料の体重計にお目にかかったこともある。1元だった。たぶんあれは正確だったのだろう。
 中国社会では、日本ほど体重というものに気を使っていないようだ。太目の人もたくさんいるが、まだ健康診断やメタボ、成人病などとは関係のない社会のようだ。
 まあ日本は異常である。根拠もないメタボの基準や健康診断で、病人をたくさん作り出している。今後は、健康診断を受けない者にはペナルティが課せられ、健保税をたくさんとられるという。健康ファシズムの国である。
 とにかく6kg減量して帰ってきた。それ以降は、ふしだらにもなかば阿呆のように日々過ごしたせいで、2kg回復した。夏場ということもあり、急激には復帰しないようだ。
 ところで、家のヘルスメーターも乗るたびに数値がちがうのだ。日本製なのだが。(;。;)
(photo:UFO到来? 日本海の夕暮れです)