東京の夏

 埼玉、東京へ行ってきた。夏の首都圏にはできるだけ近づかないようにしているのだが、今回は所用でしかたがなかった。
 クールビズや、今年はとくに節電問題で、スーツ姿のビジネスマンはさすがに少なかった。夏の東京の灼熱地獄を考えると、あの暑苦しいスタイルはほんとうにバカげている。
 僕も会社員時代、出張で何度か経験したが、いつぞやは路上で倒れそうになったことがある。
 だから、クールビズは賛成だ。ラフな服装を認めている企業も少なくないらしい。しかし、今度は “ドレスコード” が問題になっているようだ。……そんな新聞記事もあった。
 スーツなどの仕事着や制服から外れると、どうしていいのかわからなくなる人が少なくないのだろう。
 もしかして、それはかなりたいへんなことなのかもしれない。心配事がひとつ増えるわけだから、精神的な負担が増すわけだ。困っているビジネスマンもいるだろうなぁ。
 都心は気のせいか、外国人の姿が少なかった。日本人も少ないような気がした。電車の本数は少なかった。日中の乗客も少なかった。夜の繁華街の人出も少なかった。喫茶店の一杯のコーヒーの量が少なかった。しかし、バスに乗ると老人が多かった。
 じつは、放射能が気になった。少なくとも北陸よりは事故原発に近いから、頭の片隅にそういう意識はあった。でも、街の様子や人々からは、放射能の臭いがしなかった。
 もっとも、あれには臭いがないのだった。それに、目に見えないし味もないとすれば、見つけようがなく、したがって防ぎようがない。
 まあしかし、ガイガーカウンターを持って歩くほど危険な地域でもない。「直ちに人体に影響はない」はずだから。
 3Dメガネなどよりも、放射線が見えるメガネが発明されれば、人類にとってこのうえなく有用なのに。と、思ったりする。しかし、そんなメガネをかけると、怖くてたぶん外を歩けなくなるだろう。
 ーーひとつお断りがあります。
 前回の記事までしばらく掲載してきた、高山植物や東北の風景は、一昨年までのものです。こんなときに、のんきに遠野旅行かい? などとしかられそうです。旅行する、というそれも支援だとは思いますが。
 ボランティアで支援に行かれた方々に対しては、ほんとうに頭が下がります。(^-^)
(photo:完成した東京スカイツリー