駄文も積もれば200回

 日本に帰ってきたら映画を見たい。それもゆったりと映画館で。と思っていたが、いまだに果たせないでいる。
 見たい映画がないのである。シネコンはたくさんあるし、それに合わせてスクリーンの数もかなりあるのだが、上映している映画はどこも同じなのである。夏休みなので、子ども向けアニメかシリーズ物、あるいは安易な企画ものばかりである。
 ハリポタもやっている。え? まだつづいていたの? っていう気もするが、第一話を見てからずいぶん経ったのではないだろうか。
 たしか第二話まで見た記憶があるが、なんだか最終的には「魔法」で解決する世界に違和感を覚え、それ以来見なくなってしまった。ハリーもかわいくなくなったしね。
 中国で一度映画館に入りたかったのだが、ついにチャンスがなかった。知人曰く、「映画館は高いし汚いし暗いよ」といわれた。最後の「暗いよ」の意味がよくわからなかったが、まああまりいい環境ではなさそうだった。
 泉州の名誉のために、それは泉州の特定の映画館の事例だったのかもしれない。でもどうせ日本語の字幕が出るわけでもないので、そのうちどうでもよくなっていた。
 これでも、以前は映画にめっぽう詳しかったのだが、最近は新しい映画を見なくなったし、したがって持っている情報も少ないので、中国の学生のほうがよほど詳しい。あまつさえ、最近の日本映画事情を彼らからおしえてもらっている始末。
 冷房のきいた映画館で、前の席に足を投げ出してビールでも飲みながら、ちまちまとした人生ドラマを見る。というのが、目下のあこがれである。
 なんでこんな映画を見たんだろう? と首を傾げつつ、どんよりとした赤い目をして家路につく。僕はそんな映画が好きだ。
 いやいや、これじゃあ変人だ。……そんな映画「も」好きだ。と、訂正。
 今日はもう少し気の利いたことを書こうと思っていた。このブログも、今回で200回になったのである。しかし、これまでそんな建設的なことなど書いてきた記憶もないので、自分にはムリだなと即座に思い直す。(__;)
(photo:遠野の風景)