重い足で歯医者

 最近はヘビをペットに飼う人もいるらしい。おとなしくて世話する手間もさほどではないし、エサも毎日やる必要もないから、ペットとして楽らしい。
 しかし、やっぱりヘビが好きな人はそうおるまい。
 ヘビから話しを持っていくというのも何だが、歯医者が好きな人もそうおるまい。もちろん医者その人に対してではなくて、治療のことである。
 今日は朝からウキウキなのさ、だって今日は歯医者へ行くんだ。というようなM系の人は、おそらく少数派だろう。
 どうしてもっと早く来なかったのですか? 少し痛いけどがまんしてくださいね。プス(麻酔注射)。というように医者からいわれる人が多いのではないだろうか。
 帰国して、歯医者に行った。とくに自覚するような不都合はなかったが、このトシになれば歯茎など口腔全体に注意をはらわなければいけない。だいいち、中国で荒れた生活(すさんだ生活ではない)をしていたから心配だった。
 生活圏で食事をしていると、石を噛むことがある。料理に石が交じっていることが多々あるのである。ホゾを噛むよりマシかもしれないが、けっこうダメージが大きい。料理をよく見つめてから食べる癖がついたので、歯をやられたことはないが。
 とにかくむこうで歯医者に行くはめにならなくてよかった。痛いという噂だ。M系の人はうれしいかもしれない。
 行きつけの初老の歯医者はめっぽう腕の立つ先生だが、少し怖い。近頃は、サービス業意識で治療にあたっておられるが、多少ムリをしていらっしゃるフシがある。
 患者への態度と、衛生士など従業員に対する態度の落差が大きいのである。僕はいつも従業員の方々に同情している。怖いと感じるのは、その落差なのだろう。
 ときどき先生は、そんな態度の切り替えがうまくいかず、僕たち患者はドキッとさせられてしまう。まあご愛敬だが。
 して、今回は多少歯茎が弱っていたが、治療を要する疾患はなかった。ほっ。(^_^)
(photo:早池峰山頂上から)