人生相談の午後
「先生、ちょっといいですか」「え? ああいいよ」
「あの〜、どこかいいレストランを、いくつかおしえてもらえませんか?」「レストラン?」
「はい、きれいでふんいきがいいところです」「ん〜、知らないこともないけど、そんなに知らないよ……」
「おしえてください」「そうだなぁ〜、◯◯とか△△とかなら……」
「それどこですか?」「え〜と、◯◯は……あれ? なんで外国人がキミにおしえなきゃならないの?」
「……………」「はは〜ん、デートか」
「え? まあ……僕はあまりいいところを知らないんです」「そんなのカノジョのほうがくわしいだろ?」
「あ、そうかもしれません。でも……」「いいカッコしたいんだね?」
「はい」「で、今週の土曜日に行くのか?」
「あの……土曜日と日曜日に」「連チャンか? 来週また行けばいいじゃない」
「それが、しかたがないのです」「なんで? そのほうがカノジョも喜ぶだろ? Aさんと、だろ?」
「はい。でも、日曜日は……」「日曜日はちがうレストランなの?」
「……………」「……………」
「あの〜、同じレストランでもいいんです……」「よくわかんないなぁ」
「……………」「え〜〜? 二股?!」
(ある日の放課後、男子生徒と)
(photo:洛陽橋から)