こわい夜
「先生、もう寝ましたか?」「ううん、まだ起きているよ」
「今日はおそいですね。どうしたんですか?」「あ、ちょっと眠れなくてね」
「何か心配なことでも?」「ああ、いろいろとね」
「奥さんのこと?」「はは…。ところで、このまえはカレと歩いていたね?」
「え? 何のことですか?」「ほら、承天寺のまえを仲良く歩いてたじゃない」
「え〜、見たんですか? ちがいますよ」「背が高くて、なかなか……」
「あれは、友だちです。ト・モ・ダ・チ!」「ふ〜ん」
「カレじゃありません!」「おお、わかった、わかった」
「ほんとにわかったんですか?」「あ、ああ」
「わかってない!」「いいじゃないか。キミは友だちと思っていても、向こうはそう思ってないかもしれないよ」
「だから……」「さて、そろそろ寝ようかな」
「先生、のどが渇きませんか」「お、そうだね。お茶でも飲んで寝ようかな」
「ここにお茶がありますよ」「え?」
「今、老姐が持っていきます」「??」
「ドアを3回ノックしますから、開けてくださいね」「え? 何のこと?」
「もうすぐ行きますから」「おい、ほんとうか?」
「もちろん」「どこのドア? 寮の玄関のドア? 部屋のドア?」
「……………」
(ある日の生徒とのQQチャットより)(^_^;
(photo:夏の夜、街は不夜城)