カレシ、カノジョの年頃

 若者相手なので、カレシ、カノジョの話しになるとけっこう盛りあがる。
 女性なら、やさしくて、ハンサムで、お金持ちな男性がいい。男性なら、やはりやさしくて、かわいくて、親を大切にしてくれる女性がいい。
 というのが、それぞれの相場である。しかし、はっきりいってそんな相手はいない。それで、もう少し現実的な選択肢をつくって再びきいてみる。
 学生は女性が多いので、たとえば彼女らを対象に、「お金はもっているが醜男」と「貧乏だがハンサムな男」、どっちを選ぶか、ときいてみた。
 ずいぶん悩んだあげくに答えてくれた。前者を選ぶ場合は、醜男でもやさしければいいという理由である。しかし、やはりというか、現実的な彼女らは後者を選ぶ者がほとんどいなかった。
 ところが、前者でかまわないが、その後お金でハンサムな男を釣ればいい、という強者もいた。おそろしい。
 後者を選ぶ学生は、貧乏はやがて金持ちになる可能性があるから希望が持てる、という。……なるほど、なかなかの想像力、というか希望的観測である。しかし、たぶんそんな男は一生貧乏か、あるいはお金を得ればさっそく浮気するにきまっている。
 いずれにしても、彼らはある程度明るい自分の未来を思い描いている。今の中国の勢いからすれば当然のことだろう。
 そんな彼らに、自分の将来にあまり希望がもてない、日本の今の若者の話をすると意外な顔をする。
 若者が享受する日本の文化や、日本という社会にあこがれの気持ちを抱いていても、彼らには日本の社会の病理や若者の心のうちまではなかなか伝わっていない。
 ごく自然な出生率の男女比は、一般的に106:100だといわれている。ところが、中国は一人っ子政策の歪みで、この男女比がさらにひらいているという。つまり、数字どおりに考えれば、結婚できない男がたくさんできてくる、ということになる。
 学生のなかに、日本人の女性と結婚するのが夢だ、という者もいた。それはそれで、なかなか賢い選択かもしれない。(^_^;
(photo:踊るおばさんたちPART3)