チャイナ・ドリームとは
李娜がテニスの全仏オープンの決勝に進出した。同じアジア人として誇らしく、爽快である。
というより、欧米が主導してきたテニスの世界にも、ようやくアジアの選手がグランドスラムの決勝に進む時代がやってきたのである。
もっとも、シャラポワと準々決勝で対戦したとき、どちらを応援しようか迷った。シャラポワのファンとしては複雑な気持ちだった(迷わなかったくせに、と家族からはいわれそうだが)。
決勝では文句なく李娜を応援するが、こちらにいると、なんだか久しぶりにテニスに接したような気がする。
まあ、テニスとは縁遠い生活である。テニスなどまったく普及していないし、以前にも書いたが、テニスどころか、スポーツをする環境があまり見あたらない。
スポーツどころではない、というところもあるのかもしれない。文化や国民性のちがいだってありそうだし。
中国が強いスポーツといえば、卓球、バドミントン、体操、飛び込みなどである。逆に弱いスポーツの代表はサッカーである。サッカーはあまり人気がない。
つまり、個人競技に強く、団体競技に弱いということがいえる。おそらくこれは、評価の問題だろう。個人競技ならまちがいない評価が得られるからだ。
これはひとつの国民性かもしれない。サッカーをしようと思って11人集めれば、たぶん全員フォワードを希望するはずだ。
そんなことを授業でも話題にすると、学生たちの関心も見事に個人競技だった。
ときどき、将来就きたい仕事なども話題にすると、男性は圧倒的に「Boss」と答える。つまり会社経営者である。女性からもときどきそう返ってくる。
だれもがチャイナ・ドリームを夢見ている、といえなくもないが、この国の勢いが若者にそういう夢を与えているのだろう。研究、開発、などという地道な職業を希望している者は皆無である。
国民性につながる若者気質が、こういうところでも顔を見せるのがじつにおもしろい。ここにも、前回のテーマ(ノーベル賞)につながるヒントがありそうだ。(^^)/
(photo:西湖から泉州市内)