赤と垢の問題

 やっぱり赤である。もっとも、中国では赤より「紅」が一般的である。
 赤は、革命を象徴する色である。だから、国旗はご存じのとおり。
 結婚式などの慶事は赤が基本。結婚式衣装の店は赤一色だ。目が痛くなる。結婚式に黒の礼服など着ていこうものなら、ののしられ痰を吐きかけられ追い出されるのは必至だ。
 おめでたいときの赤は、5月20日のこのブログの記事に添付した写真にも見られる。
 小学生が赤いスカーフを首に巻いている。農村に行くと、赤いズキンをかぶって作業をしているおばさんをよく見かける。赤い下着を堂々と干してある(なんとかしてくれ)。
 劇の舞台の背景が赤一色の幕だった。これじゃあ、その前で何を演じても死んでしまう。写真を撮って、あとでプリントしたら、マゼンタのインクだけが異常に早く減るので困った。
 教育の成果か刷り込みかはわからないが、学生も、赤が好きだ、という。そのワリには、彼らの身の回りに赤は少ない。少しほっとする。
 自分の生活を振りかえってみる。最近はあまり赤とは縁がない。どちらかというと「垢」と関係が深くなっている。
 赤ちゃんが垢ちゃんにならないように、授業ではアクセントに注意しなければいけない。僕の出身地では、ときどき標準語と反対のアクセントでも通用しているからだ。
 しかし、赤い車はめったに見ない。日本人が好きな、白い車も少ない。
 若い頃の一時期、赤い車に乗っていた。今考えてみてもどうして赤だったのだろうか、と思う。赤いポロシャツを着て車を駆っていたような記憶もある。狂気の沙汰である。親も悩んだことだろう。
 町中いたるところで赤が目につくが、絵に描く太陽は赤ではないらしい。いまわしい日の丸を彷彿とさせるからかはわからない。で、何色だったかしら。忘れた。
 そろそろ中国暮らしの垢がたまってきた。(^_^;
(photo:新旧混在、樟脚村)