こちらの事情を忘れてはいけない

 週に一度出張授業で通っている、経済貿易関係の専門学校のクラスで「麻疹(はしか)」が流行している。症状が少し重くなって、長い間休む学生もいる。
 麻疹は日本でも流行するので、ワリと身近に感じるが、おそらくここでは日本でなじみのない病気も多いことだろう。
 とりあえず日常的に気をつけているのは食中毒である。気候、衛生状態など危険因子はたくさんある。以前にも書いたが、ほんとうは食材にも注意したいのだが、そこまでは無理である。
 最近日本では、生肉のユッケを食べて中毒を起こした事件があった。こちらでは考えられない。生肉など絶対に食べないからだ。
 豚などの家畜が解体されて、通りや店先など毎日いたるところで、それは見事に部位ごとに分けて売られている。しかし、どういう人たちが、どういう資格で商売しているのかわからない。豚たちの出自だってわからないし、どんな人生(豚生か…)だったのかもわからない。
 ついでにいえば、生卵も御法度だ。サルモネラなどの病原菌で汚染されている可能性が高いからだ。だから、日本へやって来る中国人留学生なども、すきやきを生卵で食べることを躊躇する。
 ときどき蚊に悩まされているが、そっちも心配だ。マラリア原虫を宿した蚊がいるとはきいていないが、気候的には生息区域としての条件を満たす。
 怪しげなせきをしている人もときどき見かける。そして、朝方の静寂のなかから、ときどき絞り出すようなせきが聞こえてくるときがある。結核が存在しているのはまちがいない。このブログでもときどき書いてきたが、無節操な痰や唾をやめないかぎりは改善しないだろう。
 そして、もうひとつ恐いのは狂犬病。放し飼いや、野犬とおぼしき犬がウロウロしている。
 前回、山へ行きたい、などと書いた。少し前地元の新聞を見ていたら、毒蛇に噛まれて死んだ人の記事が載っていた。
 記事になるくらいなので、そうひんぱんではなさそうだが、山へ入るとその手の連中がうじゃうじゃいそうな気もしてきた。やっぱり山はよそう。
 まあ、家庭用の医学書を読んだときのように、病気のことを神経質に考えると一歩も外へ出られなくなる。せいぜい、免疫力を落とさないようにしている。(*_*)
(photo:けっこう上手だった)