もどかしい情報

 まったく悪夢である。6基もあるのか、と唖然としてしまう。
 福島第一原発である。止まっているはずの5、6号基もさわぎだした。電気がないので燃料棒を冷却できない、というが、失礼だがずいぶんマヌケな話しではないだろうか。
 「想定外」が連発されている。しかし、核を扱う原発に想定外があっていいものだろうか。最終的に人間が手に負えないものに「想定外」はつきものではないか。
 あらゆる手段をこうじて、核燃料を冷却する作業をつづけていると思われるが、現場の作業員の方々も尋常なストレスではないだろう。いったいどのような身分の人たちが、世界中が注目するなかで決死の作業をつづけているのだろうか。
 しかし、テレビに登場する関係幹部の方々の、どこか他人事のような表情を見ていると、はたしてこれが天下の一大事なのだろうか、とさえ思ってしまう。
 異国にいて毎日情報をかき集めているが、やはりどこか蚊帳の外のような感じがして、寮にいるかぎりは、イライラしながらテレビとネットを行ったり来たりしている。
 CCTVも繰り返し大きく報道している。こんなことで、日本のニュースが大きく報道されるのもありがたくはないが、中国の立場に立った情報も貴重である。
 その中国だが、今後原発を、1省あたりおよそ2基づつ建設する計画があるらしい。50基ぐらい新設されるということになるのだろうか(数字は未確認です)。
 福島の事故の成り行きしだいでは、世界の原発事情も変わるだろうが、なにも原発だけがエネルギーを得る手段ではあるまいし、こんなリスクの高いものは早急にやめてほしい。
 ところで、「保安院」という、耳慣れない原子力関係の組織がたびたびテレビに登場してきている。「ホアンイン」と聞くと、中国語の「歓迎=ホアンインと発音」を連想する。
 しかし、テレビに出ることをあまり歓迎したくはない人たちである。
 未曾有の地震に加えて、原発事故で国民が振り回されるのはかなわない。遠くからだが、一刻も早く、とりあえず核の恐怖からの解放を祈るばかりである。(`_´)
(photo:祈り。カトマンズにて)