スイッチオフの日々

 帰国してからは怠惰な生活になってしまった。こちらでしなければいけないことはたくさんあるのだが、今のところとりあえずはアイドリング状態である。何から手を付けていいのかわからずぼんやりしている、というのが本当のところではある。
 けっこう規則正しい生活をおくっていたから、気がぬけてインフルエンザなどにやられないように心がけている。とくに鳥の近くには寄らないようにしているが、向こうから寄ってきた場合の対策までは考えていない。
 朝は6時すぎには起きていた。学校は8時からだが、一部の学生のように、起きがけのうつろな顔をして授業に出るわけにはいかないし、だいいち授業に穴はあけられないから、夜も10時には寝てしまう。学生には、ずいぶん早いね、などとやや嘲笑ぎみにいわれたりしている。
 べつにいいのだ。かまわない。もう若くはないし、キミたちみたいに無理はきかないのだ。だいたい、キミたちに万全の態勢で授業をするために努力をしているのだぜ。
 と、多少いばってみたが、夜中に目が覚めて考え事などすると、脳がはたらき出してそれっきり眠れなくなることもよくある。このブログのネタや不良学生対策などは、そんな夜中にひらめいたりするから始末が悪い。そして夜が明ければ、うつろな目だ。
 日本食の毎日である。うまい。しかし、和食に恋い焦がれて身もだえしていたわけではない。泉州でも、食事の楽しみは多少会得したつもりだ。チンタオビールさえあれば……。
 しかしこれでは、あいつはビールさえあればいいのか、ふ〜ん。ということになりかねない。ビールはあくまでプロローグの主役である。日本語教育でいえば「導入」になるのかな。
 寒い。久しぶりの、懐かしい寒さだ。こっちは雪があるせいか湿っぽい寒さだが、むこうは乾燥した身を切る寒さである。最低気温もせいぜい5度ぐらいだが、どこへ行っても暖房装置が乏しいので、町全体が寒い。
 とまあ、しばらくは日本に滞在する。ときどき学生からメールが届く。やり取りは楽しいが、中国語での対応だから、辞書と首っ引きである。雪の写真を送れという。先生だって忙しいんだがなぁ。(^_^;)
(photo:冬の日本海