飛行機の楽しみ

 前回のブログ記事を、23日の晩に書きあげてアップしようとしたら、ホテルのネット回線が不通になっていた。109回目で、はじめて原稿を落としてしまった。不可抗力であり、だれに叱られるわけでもないが、やはりくやしい。
 んで、昨日の朝、上海浦東空港の無線回線を使ってアップした。空港内でノートパソコンを開いて、手を止めてときどきしかめっ面などしたりすると、ちょっとカッコよくはないか。
 しかし、小松便の搭乗待合は、高揚した日本人中年ツアー客の姿もみられ、ちょっと居心地が悪かった。中国人もやかましいが、日本人はグループになったとたんに、傍若無人化してしまう傾向がある。せいぜい、同胞と思われないように注意はしている。
 飛行機の移動は疲れるが、そういう人間百態が垣間見られるので退屈しない。
 今回も、晋江(泉州)の空港からすでに不穏な空気があった。セキュリティー検査のところで、中国人の中年男性乗客が係員とやり合っていた。かなりの音量の怒号だったので、続々と係員がやってきて男を取り囲んでいた。
 トラブルの内容はわからなかったが、こういうシーンにはときどき遭遇する。
 数年前も、中国国内線の飛行機のなかで見かけた。あれはたしか、座席ベルトをするしないで、これも中年男が女性客室乗務員ともめていた。ところが、そこは中国、スッチーも負けてはいない。口角あわを飛ばして真っ向からバトルしていた。あの迫力はすごかった。
 またいつぞやは、僕のとなりの若い男が、座席にすわるなり備え付けのゲロ袋を破り、痰を吐いた。それをだいたい10分間隔でやるもんだから、気持ちが悪くて閉口した。
 特別天然記念物雷鳥は、10分おきに排便するという。アメリカ人が好きなジェリービーンズのような姿形だ(色はちがうが)。その糞を数えると、その場所に雷鳥がどれくらい留まっていたのかわかるのだ。雷鳥の糞ならかわいいが。……まあ、関係のない話しだ。
 さて、昨日のその便(べんではなくびんね)は、とりあえず無事浦東空港に降り立った。着陸すると、座席ベルトを外すカチカチという音がした。それはいつものことである。
 そして、エプロンに移動するまでに一度停止したその瞬間、ほとんどの客が立ち上がり、頭上の棚を開けはじめた。ほんとうに中国人はせっかちである。スッチーもあきらめているようだ。
 かように、中国国内便はおもしろく、退屈するひまがない。心身ともに健康であればね。(O_O)
(photo:冬の上高地