上海の夜

 今、上海のホテルでこれを書いている。……なんて書き出しにあこがれていた。うれしい。
 うれしがっている場合ではなかった。もう時間がない。今日中にアップできなくなる。
 さて、冬休みである。明日日本へ帰る。しばし、スイッチはオフである。痰攻撃や大声の人たちから解放される。うれしい。
 これもうれしがっているばかりだけではいけない。アレ? 日本語がおかしくなってきた。
 頭のなかの、日本語文法カードの組み合わせが、狂ってきたのかもしれない。毎日毎日、日本語の文法や助詞や女子や動詞や同志のことばかり考えていたからかもしれない。
 余談ですが、「同志」ということばは、最近では隠語になっている。イギリスでは結婚できるけれど、日本や中国ではまだまだなんです。
 で、これは職業病か? なんだか最近は、書く文字も中国語の簡体字を使ってしまったり、かなり脳が疲弊しているようだ。はあはあ。
 じつは、前期の総括を今日やろうかと思っていたのだが、とてもできる状態ではないようだ。
 さっきホテルのレストランでビールを飲んだ。いつものチンタオビールだ。服務員がなかなか注文を取りに来なかった。何度も呼んだのに、ひっつめ髪の女性には睨まれたので、その後はじっと待っていた。
 上海は何度も通っているけれど、少し街を見て歩いたのは、3年前の一度だけだ。あのときは、上海駅の裏手のホテルに投宿した。駅裏はまだ開発中で、古い町並みを壊している最中だった。
 そのせいでもないだろうが、ホテルの水道から出てきた水は、土臭くて色がついていた。バスにお湯を満たそうとしたら、泥水のようになっていた。
 今はあのあたりもきっとぴかぴかになって、古い町の住人たちもどこかへ追い出されたのだろうか。
 旅人の勝手な感傷かもしれないが、古い町がみにくい遺物のようにかんたんに壊されていくのは悲しい。僕が仕事をしている泉州市でもそうである。でも、あのあたりはまだ残っているかもしれない。
 ホテルの部屋の暖房がなかなか効いてくれない。寒い。北陸の寒さを忘れてしまった。少し心配である。(^_^;)
(photo:ホテルの夜)