あの手この手の前倒し

 今週に入って、毎朝が楽しみである。何人教室にいるだろうか、と。いくぶん開き直った楽しみではあるが。
 櫛の歯が欠けたように、教室はガランとしてきた。ほとんどの学生が寮生活なので、次々に帰省していくのである。
 この日本語学校春節休み(冬休み)は22日からだが、少なからずの学生が前倒しして、自主的に休みに入っている。
 とくに僕の担任しているクラスは、本校から出向してきているクラスで、あっちはすでに今週から冬休み、という事情もあって、ほとんどの学生がすでに休みモードである。
 月曜日の朝はまだよかった。30人のうち20人ぐらいはいた。それが、今日(水曜日)には9人に減った。
 置き手紙があった。チケットの都合で早く帰ります、と。チケットを楯にとられたんでは、しかたがない。チケットが手に入りにくいお国事情もある。まあ、知能犯かもしれない。
 家族が迎えに来ている。というケースもあった。もちろん信じてあげるが……。
 しかし、それらはまだマシなほうだ。逃げるように校門を出て行く連中も、月曜日目撃した。呼び止めたが、さけるように走り去った。薄情なやつらだ。休み明けからは本校にもどるというのに。
 正面きって、帰ってもいいですか、といってくる学生もいた。立場上、いいよ、とはいえないし、ダメ、と強くもいえない。なにせ中国では、春節は1年で人々がもっとも高揚し、楽しむ時期であるから、あまり反感を買うような野暮なことをしたくはない。
 で、教室に残っているのは、いつもまじめにちゃんと勉強している学生たちである。いい子たちである。
 今日の授業はほんとうにやりやすかった。ケータイをいじったり、おしゃべりをしたり、寝たりする連中がいない分、すいすい進んだ。時間があまって遊んでしまった。
 最終日は、みんなで近くへミニ遠足に出かけて、昼ご飯を食べて帰ろう、と計画している。が、参加者は何人だろうか。(>_<)ゞ
(photo:厦門、コロンス島から)