九日山の休日

 先週は3連休だった。仕事が残っていたので、僕は初日と2日目は少し出勤した。
 教室をのぞくと、家が遠くて帰れず寮に残った学生たちが数人、テレビでDVDを観ていた。みな一様にヒマだという。ならば勉強すればどうか、というと、つまらないと答える。
 そういうことなら、連休の最終日みんなで九日山へ行こうか、と提案すると、うん行こう、ということになった。
 当日は朝から小雨もようの天候で、しかも寒かったので、なかば予想していたが、集合場所の校門には誰もあらわれなかった。軟弱な連中である。まあ、さえないオッサンと、さえない天気の日に、さほど若者向けとは思われないところへ行ってもなぁ、というところだろう。
 さらに天気がくずれるようなこともなかったので、僕はひとりで出かけた。
 ここ泉州は、むかしは貿易港として栄えた。多くの貿易船が頻繁に出入りしていたようだ。そんな風頼みの貿易船の、安全航海を祈る「祈風石刻」が九日山に残っている。10世紀以来摩崖に刻まれた、海外貿易関係高官のメッセージが多数見られるのである。
 泉州市内からバスが出ていて、西北へ約30分、終点が九日山である。
 バスを降りて沿道を少し散歩した。露天で川魚を売るおばさんたちがいた。大きめの魚の名前をきいてみたが、答えてくれたことばが僕にはわからなかった(3日のブログ写真参照)。
 小雨もまばらになってきたので、九日山の門をくぐった。10元払う。やはり今日は人が少ないようだ。麓の延福寺もひっそりとしている。
 寺院の裏手にまわると摩崖が見えてくる。さっそく発見。たくさんの石刻が、風化もせず克明に残されている。
 そこから、さらに整備された山道を登ると、10分ほどで山頂に着いた。そこにも石刻が見られた。
 天気がよくなってきた。そらみたことか、と、ひとりつぶやく。
 山頂をあとに、山腹に造られた登台廟に向かった。岩場の道を足もとに気をつけながら下ると、一気に視界が開けた(7日のブログ写真参照)。(・o・)
(photo:九日山の石刻群)