小紅帽(赤ずきん)ーその2

 すっかりいい気持ちになったオオカミをつれて、赤ずきんは恐るおそるおばあちゃんの家へ向かいました。
 おばあちゃんの家までくるとオオカミは、
 「赤ずきんちゃん、おじさんもおばあちゃんのお見舞いをしてもいいかい?」
 といって、赤ずきんといっしょにおばあちゃんの家に入りこみました。そして、ベッドで寝ているおばあちゃんにそっと近づき、布団をはがして食べてしまおうとしました。
 そのとき、タンスの陰にかくれていたおばあちゃんは、すばやくオオカミの背後にまわり、持っていたバットを振り下ろしました。
 「ゴン!」。空っぽ頭のオオカミは、意外な鈍い音とともにのびてしまいました。どうしておばあちゃんがバットを持っていたのか、ここでは省きます。
 「やった〜!やった〜! オオカミをやっつけた!」
 赤ずきんとおばあちゃんは、うれしさのあまり踊りだしました。
 ちょうどそのとき、家のまえを道に迷った中華料理店のコックが通りかかりました。
 家のなかがあんまりにぎやかなので、ちょっとのぞいてみました。どうしてタイミングよく中華料理のコックが通りかかったのか、ここでは省きます。
 「あれ? どうしたんだい? おや? オオカミじゃないか」
 コックは、のびているオオカミをみつけてびっくりしました。森に獲物をさがしにきたコックは、今日の収穫がなくて打ちひしがれていたのですが、こんなところで獲物と遭遇してしまいました。
 さっそくコックは、このオオカミを引き取って料理することを、ふたりに提案しました。そして、お礼に赤ずきんとおばあちゃんをレストランに招待して、オオカミ料理をふるまうことにしました。
 ふたりは大喜び。ところが、あまりの騒々しさにオオカミが目をさましました。でも大丈夫。すばやく見つけたおばあちゃんがバットで「ゴン!」。
 めでたし。めでたし。おしまい。(了)(^o^)
(photo:練習風景。赤ずきんとオオカミ)