粗悪品がスタンダード

 世界の工場だから、いろいろなものを作っている。日本で使っているもろもろの物を、中国で作っている。中国で使っているあらゆる物も、中国で作っている。
 こんな話しをきいたことがある。たとえば、同じブランドの製品でも、中国で出回っているものと、日本で出回っているものはちがう、と。
 今僕は、それを実感している。日本から持ってきたノートパソコン用に、プリンターをこちらで買った。信用できるものをと思い、EPSONの製品を買った。パソコンがMacなので多少高くついた。それでも、自分の部屋で教材を出力したり、写真をプリントできるのでありがたい。
 ところが、インクの減りが新幹線である。またたく間だ。カラープリンターを買う前に、先輩の先生が忠告してくれたことを今さらながら思い出される。インク代が、あっという間に機械より高くなるよ、と。たかをくくっていたが、まさにその通りであった。
 この交換インクが、けっこう高いのである。日本でもそうだが、ここはそれ以上だ。まだしも1色1色のセパレートタイプにしてよかった。
 そして、かんじんの機械本体はというと、こちらはスピードが鈍行である。紙の問題もあるが、2枚3枚あがりもしょっちゅうだ。
 じつはプリンターばかりではない。毎日使うボールペンのインクの減りも早い。マジックなどは、新品でも書いているうちにかすれてくる一品がある。チョークはポキポキ折れるし、色むらがある。白に近い赤とか、しっとりと濃い赤とか。ほかの色も同じ。使うのに骨が折れる。しかし、このチョークの粉、大丈夫かとときどき思う。
 笑えるのは修正テープ。白い幕が定着しない。くっつかないから爪の甲でごしごしこする。カッターの刃がすぐ切れなくなる。
 今さらながら日本製品の優秀さを実感する。みんな中国で作っているのだから、これは品質管理の問題だろう。日本の文具の多彩な種類と、きめ細かさはおそらく世界一ではないかと思う。
 販売サービスもそうである。以前、ベッドの脇に置くスタンドを買った。持って帰って開くと、電球が別売りになっていた。買いにもどったが、置いていないといって店員はすました顔だ。やれやれだ。
 かつて Made in Japan も粗悪品の代名詞だったことを考えれば、まだ発展途上なのだろう。でも、あらゆるものがそうであるが、人体に安全なものを作ってほしいと思う。(-.-#)
(photo:陶磁器の里D県にて)