にっちゅうかんけいふたたび

 となりの家は、最近とみに羽振りがよく、広大な敷地に豪邸を建てた。高級外車を何台となく所有し、人の出入りもひっきりなしだ。毎晩毎夜パーティがあるらしく、その豪奢な邸宅からは、明かりと笑い声の絶えることがない。
 一方我が家は、ついこの前までは、となりのように栄華を誇ってきたが、お金をかけた家もずいぶんほころびが目立つようになった。一時は昼も夜もなかった家も、今では人が去り、いつの間にか年老いた者ばかりが残ってしまった。
 もっと尾やヒレをつければおもしろい比喩にはなるが、今の日本と中国はいかにも勢いがちがう。目覚めた大国はとどまるところを知らない。
 アジアの盟主は交代したのである。どのみち、中国抜きにしては、日本も生きてゆくことはむずかしいだろう。ならばもっと歩み寄れば、と思う最近のゴタゴタではある。
 日本人と中国人。じつはまったく似ていないといってもいい。たとえば、中国人の自己主張の強さといったらとびっきりだ。身勝手といいかえてもいいくらいだ。
 まあ、あげればきりがない。せっかちとのんびり。または、即断即決と優柔不断。大ざっぱと繊細。商売上手と直球商売。派手好きとわびさび。こってり料理とあっさり料理。大声と小声。そして、「和」なんてクソくらえの中国人。
 もちろんそんなにくっきりと分かれるものでもないが、さほど外れていないと思う。性格の不一致と切り捨ててしまえば、これまで通りゴタゴタをつづけるほかはない。しかし、がっちり組めば、最強タッグになる可能性はある。
 どうせお互い、他へ引っ越すことができないならば、となりとの境界線がどうのこうのと主張していがみ合うよりも、境界線を取りはらってしまったほうが、ずいぶん建設的ではないだろうか。
 などと、最近各地でくすぶりつづけている反日デモをみると、そんなことを思ってしまう。あのデモも、本音のところは他にあるようだけどね。
 しかし、僕の近くで痰をはくのだけはやめてほしいっス。(-_-;)
(photo:川縁の道)