遠足の味

 日本流にいえば「バス遠足」というところだろうか。先週の木曜日(21日)は、全校で課外活動日となった。
 その行事は以前から予定されていたわけではなく、その前の週にいきなり決まった。いかにも中国流である。何ごとも突然、あるいは行き当たりばったりなのである。おおかた理事長あたりが、煙草に火をつけた瞬間にでも思いついたのだろう。
 カリキュラムを組んでいる日本人教師からは、もちろんブーイングだったが、ごり押しされた。そのあたりの中国人のスケジュールに対する感覚は、またあらためて書きたいと思うが。
 まあとにかくバス遠足は挙行された。
 バス3台をつらねて、といいたいところだが、出発から僕たちのクラスが乗るバスは1時間おくれた。他の用事で出かけている中国人スタッフを待っていたのである。このあたりも、いかにも中国である。
 地元の大きな博物館を見て、そこから小1時間ほどの海岸へ移動した。そこは白砂青松的なとても気持ちのいいところ……のハズだったが、近づいている台風の影響なのか、強風のため砂嵐が吹き荒れるひどい状態だった。
 バーベキューをはじめたが、食材には砂のスパイスがまぶされるので、砂の味を堪能することとなった。こりゃ〜近いうちにコンニャクを食べんといかんわ、と密かに思った。どうしてか? 男の問題です。
 しかし、肉の多いことといったら、ない。肉やにくやニクがどんどん出てくるのである。量もすごい。その肉に、ごていねいに油を塗って焼くのである。どうしても油だ。そして、焼けた肉を先生にどんどん持ってくる。上げ膳据え膳である。よろしい。でも食べきれない。
 こっそりと、ビールを渡してくれる女子たちがいた。日頃から、ビールが好きだと宣伝しておいてよかった。やっぱりバーベキューには、これがないと落ち着かない。よしよし、キミたちは点数を上げてやろう。僕はビールに関しては心がせまいので、守衛のYおじさんだけを呼んで、すみっこで乾杯した。
 そのあとに予定されていたゲームなどは中止されたが、海岸で遊ぶ若者たちのパワーは疲れ知らずだった。この元気を、授業でも発揮してくれるとうれしいのだが。もちろん次の日の授業は、いわずもがなだった。(^_^;
(photo:やっぱりバーベキューである)