にっちゅうかんけい

 日本にいればさほどさし迫った問題ではない。でも、こちらにいるとやはり事情はちがう。どうしても敏感になってしまう。頼むよ、ことを荒立てないでくれよ、と願わざるをえない。
 日中関係。そう、例の尖閣問題に端を発した最近の情勢は、どうしても気になる。ここF建省では、さいわい反日感情はさほど顕著ではない(と感じている)。S市在住の日本人は非常に少ないので、いつも僕は、粗相のないように町の人々と接している。
 それにしてもこの問題が、ここまで大きくなるとは思わなかった。僕は、これは日本の外交下手が招いた結果だと思っている。日本は戦後、米国の属国のような道をえらんで、経済繁栄に力をそそいできた。だから世界の舞台では、政治的な功績はほとんどなく、ひたすらお金を稼ぐことに邁進してきた。
 それはそれでひとつの成果だが、いつまでも米国べったりでは、いずれ世界から取り残されてしまう。だいいちその米国自身が、病気にかかり国力が弱り、世界の覇権国家から降りようとしている。
 中国人は根っからの商人である。交渉ごとがうまい。政治的なかけひきでも、日本など赤子の手をひねるようなものだろう。
 領土問題などは、話し合いで解決するハズがない。ジャンケンできめるわけにもいかないし。結局、ガキ大将が強引に奪ってしまうような、戦争でもしないかぎりムリだろう。もちろん戦争などあってはならないが。
 だから、両国で行われている反日反中デモや製品ボイコット、ネットの書き込み。これらは両国民にとって何の益もない。領土問題などは、国民が熱くなってもロクなことがないだろう。
 戦後処理のときに、周恩来さんは「日本の戦争遂行した一部の人々と一般国民は分けて考える」というようなことを述べて、日本に賠償を求めること放棄した。
 まあ、そのことを逆手にとられて「反日カード」がいつまでも機能している、という側面もあるが。しかしそうであってもなくても、被害を受けた側は忘れるものではないだろう。
 とりあえず一般庶民は、お上の気持ちをあまり忖度せず、なかよくしたほうがよさそうである。
 日中関係。国の名前を脳裏から消し去ると、ずいぶんと怪しげなことばになる。まだしもそちらのほうが平和かもしれない。
 え〜、ガラにもないことをいろいろ書いてしまった。さて、これから本屋に行って、教材になるような資料をさがしてくるか。ありゃ〜、日曜日も仕事するようになった。ワーカホリック? (○_○)
(photo:古い街は壊され、どんどん新しくなる)