出血大サービス?

 もちろんそんな能力はないが、僕は医者にはむいていない。血にめっぽうよわいのである。
 最近では2年前の暮れに、餅切り器で正月用の餅を切っていたら、あやまって指が刃にふれ皮膚の一部をそぎ落としてしまった。噴きだした鮮血を見た僕は、気がとおくなりかけた。
 家人にはバカにされるが、ことに切り傷は僕にとって不可触領域だ。
 先日、学校から帰ってシャワーを浴びていた。頭からかぶっていたのだが、ふと足もとも見ると真っ赤になっているではないか。戦慄がはしり、おもわずシャワーをとめ、身体のあちこちを点検した。鼻血? 頭にけが? zi? ……異常はなかった。
 あらためてシャワーのコックを開いた。真っ赤というより赤茶色のお湯が飛びだしてきた。思わず後ずさった。なかなか止まらない。僕はシャワーを中止した。
 たとえば、日本では水道管に加える圧力がつよくて、管が破れるといきおいよく水は噴きだすが、発展途上国では圧がよわい場合が多く、逆に管のまわりの土などが水に混入してくるそうである。見方を変えれば、圧がつよいと破れたところがわかり、よわいとわからない、ということになる。
 色つきの水は、ずいぶん流してようやくおさまったが、やはり水道水はずいぶん不安である。とてもそのままごっくんできるシロモノではないことが、あらためて判明した。
 しかし、赤茶色の水は、土かな? と思えるが、これが青だったり緑だったりするとホラーである。
 上水はどういう浄化システムをとっているのか、一度見学してみたいものだ。いや、やめとこう。どうせ管が破れていてはしょうがない。
 以前、下水道浄化センターを見学したことがある。日本の話しだが。そこの職員は、浄化の技術を誇り、処理した水は飲んでもだいじょうぶなレベルだといった。
 これではもしかして、ここの水は日本の下水処理後の水以下かもしれない。そんな水を庶民は調理に使っているのか。なんとたくましい。近所の安食堂でも使っているのか。ため息とめまいが……。
 とにかくこんな大出血サービスは願いさげだ。(`_´)
(photo:漁港にて)