いいものはいいのか?

 AKB48のことをおしえてくれたのは、中国の日本語学校の生徒だった。
 いくら芸能情報にうといといっても、日本で一大ムーブメントを起こしている彼らを知らないとは、日本語教師としていかにもマズかった。
 あれを境に生徒の間では、僕の日本語ネイティブ教師としての評価は急落した(ような気がする)。もっともそうでなくとも、人気投票をされれば圏外になるようなくたびれ教師だったのだが……。
 日本語を学ぶ外国人は、いろいろな動機があって勉強している。
 最近では「クールジャパン」といわれるように日本の文化、とくにアニメや若者サブカルチャーへの興味から入りこむ人たちも多い。
 そういう若者を相手に、おしえる側の日本人が加齢臭をふりまき、その方面の知識に乏しいとなると「失格」の烙印を押されてもしかたがない。
 そう思って、できるだけ情報収集につとめてはいるが、テレビはどうもダメである。
 バラエティーやトレンディドラマは見つづけることができないのだ。「まいう〜」などと芸能レポーターが発声すると、もうあかん。
 筋書きが読める物語や過剰演出のドラマは、いくら出演している役者が自分のファンでも、見る気がしなくなる。
 番組の出来とはべつにどうしても「好き嫌い」が評価に入ってきてしまうが、しかし心のせまい僕でも、認めるところは認めるようにしている。
 たとえばAKB48についていえば、個人的には好きでも嫌いでもないが、こういうユニットをひとつのビジネスモデルにした仕掛け人はすごいと思う。
 また、日本は老人ばかりの国になっても外国人の受け入れには消極的だが、相撲界ではずいぶん以前からモンゴル勢を中心とする「外国人労働者」を受け入れて成功している。
 いや、それはちょっと文脈から外れた話しではあるが、結果的に今の「相撲女子」を産み出し、相撲人気の黄金時代を築こうとしているのである。
 いいものはいい、すごいものはすごい、と、趣味や波長が合わなくても興味の対象外であっても、物事をフラットな気持ちで見るようにしたいものである。
 まあ、それがむずかしいのだがね。
 しかし、きゃりーぱみゅぱみゅはすごい。スゴイわ!(@_@;)
(photo:ニワゼキショウ。自宅前にて)