喧噪の上海へ

初夏のような陽気だ。北陸の寒さから一転した気候に、身体がついていかない。
いい天気(のよう)である。陽光が降りそそいでいる(はず)。
ーー上海のホテルにいる。夜にはバンコクへ向かう。喧噪と大気汚染のただ中に出歩くことをやめ、ホテルでまったりすることにした。
もっとも、昨夜は中心部に繰り出した。かつて中国で日本語をおしえていたころの生徒に会うためだった。
連絡が取れた2人と、南京東路付近の地元の人たちが食事するようなレストランで会食した。
2人ともすでに大学を卒業して働いている。身なりもずいぶん洗練されていた。福建省のローカル大学で勉強していたころにくらべると、ずいぶん変わったものだ。
Sさんは父親と会社をつくり、総経理(社長)におさまっていた。インテリアの材料を販売する会社らしい。
一方Jさんは、旅行社に勤務していて毎日忙しい日々をおくっているようだ。
残念なことに両人とも、かつて日常会話を流暢にこなしていた日本語をかなり忘れていた。
かつて心血をそそいでおしえた日本語を……などとはちっとも思わなかった。社会に出てエネルギッシュに働いている彼女たちの姿を見ると、青春の一時期を通りすぎた日本人のオッサンも何か役に立ったにちがいない、と前向きに考えることにした。
まあ、こうやって現に会いに来てくれるわけだしさ。
そんなわけで、忙しい彼女たちと待ち合わせる時間も遅かったのだが、ホテルに帰ったのは11時をまわっていた。鼻をかむと真っ黒だった。
ーーじつは今回の目的地はブータンである。航空機の関係で上海で一泊することになったが、今晩バンコクへ移動してすぐさまブータンに向かう。
のんきによく出かけられていいねぇ、とときどきいわれる。しかし、ずさんな将来設計のもと、蓄えをどんどん切り崩しているのが実情なので、破綻がこわい。
しかし、今回は大事な用事があるのである、ブータンに。(^^)
(photo:準備中です)