沖縄へ(1)

 特定秘密保護法案をめぐって世の中がザワザワしているときに、のんきに沖縄へ旅行するなどとはいかがなものか、と自分でも思った。
 でも、青い海をもとめてのバカンスではない。だいたい、時期的にオフだ。
 ーー沖縄にはずいぶん前から興味があった。
 とはいえ、中年も終わりにさしかかかったこのトシになってようやく、足を踏み入れたわけである。後回しにしたいちばんの理由は、コストだ。
 地元のローカル空港から那覇までの便は高額だった(今でも高額である)。便が多い大都市からだと多少安いが、当然そこまでの足代がかかる。むしろ地元空港からソウルや上海へ飛ぶほうが安上がりだ。
 そんな理由で沖縄は、長い間の文通を経て初めて会う相手のような感じである。「文通」は古いなぁ……。今風にいえば、相手は「メル友」にあたるのかもしれないが、そうするとなんだか軽くなるような気もする。
 まあそんなことはどうでもいい。今や日本の空もLCC(Low cost carrier)が飛ぶようになり、時期や区間、便によっては電車賃より安く行けるのである。
 那覇へは、関空から Peach が一日3便飛んでいる。今回は手荷物を預けるほうの運賃を選択したが、チケットは片道だいたい1万円だった。出発の10日ほど前に確保した値段なので、それより以前ならもっと安く手に入る。手荷物を預けない料金体系ならさらに安い。
 LCCの機内サービスはほぼ有料である。座席のピッチもきつい。Peach もそうである。たとえば、着席した自分の鼻先から前の座席の背もたれまでの距離はおよそ42〜43cmだった。目の前の席でリクライニングされるとかなりの圧迫感がある。
 しかし、近距離のフライトなら十分がまんできる環境だろう。
 そしてLCCは、発着ターミナルが正規のターミナルから離れている場合がある。関空は、LCC専用の第2ターミナルへバスで移動しなければならない(無料)。那覇空港もそうだが、こちらは整備倉庫を改造したような殺風景なところであった。
 そんなわけで、沖縄のことを書く前にまたよけいなことに触れてしまったが、とにかく沖縄への敷居が低くなったことにはまちがいない。
 防衛や軍事の機密だらけともいえる沖縄で、特定秘密保護法案に思いをめぐらすのも一興かと思い出かけたわけだが、じつのところはK泉氏ではないが、動機は「いろいろ」あるのである。
 「沖縄へ」ーー。現地の者でもないので、タイトルの「うちなー」はやめておこう。(^_^;
(photo:平和祈念公園にて)