ときどきモンスター

 久しぶりにある大手のコンビニでビールを買ったら、おまえが20歳かどうかここの認証ボタンを押せ、とばかりにバイトのあんちゃんに指示された。
 そういう「システム」になっているのかもしれないが、まったくアホとしかいいようがない。僕が少年に見えるとしたら、それはずいぶん特殊な事情だろう。ましてや、少年に見られてもうれしくはない。若すぎるし。
 そんな確認は、20歳かどうか判別がつかないグレーゾーンの若者に対してすればいいことだ。それを、酒を買いもとめるすべての客を対象にするというのは、とても血の通った接客とはいえない。
 あんちゃんを責めるつもりはないが、コンビニでは2度と買うまい、と誓った。
 かように、日本の客商売の「ホスピタリティ」はどこかおかしくなっている。
 よく不愉快になるのは金融機関である。あそこは、基本的には利用者を客とみなしていない。最近ではとくに貸し付けで収益が上がらないので、預金者はむしろ迷惑な存在なのだろう。
 大学生の息子がいるので、年に二回授業料を大学に振り込む。しかしその都度、窓口の担当は素直に手続きしてくれないのである。手数料は大きな収益のはずなのに、対応がひねくれているのである。
 請求は息子の名前できているので、必ず「ご本人様ですか?」ときかれる。アホか? 息子は遠くの大学である。休みの季節でもないのにここにいるわけがない。あるいは本人だとしても、こんな白髪のオッサンが大学生の可能性は低いだろう。
 「10万円を越えておりますので本人様でないと……」と、担当はあくまでマニュアル通りに押してくる。 
 いつもだいたいここで、僕は暴れる(ふりをする)のである。モンスターですね。もちろん窓口のお姉さんに敵意を持っているわけではない。その「システム」がアホなのである。
 ま、結局はいつもそういう小競り合いの末振り込みできるのだが、あそこは人間の対応ではない。
 コンビニや金融機関に限らないが、つまり、こちらが人間として扱われていない、と感じるから不愉快になるのである。
 なんだか日本はいろいろなところでおかしくなってきているなぁ。(-_-メ)
(photo:カタクリ。樹木公園にて)