食べ物について、ふと思う
デフレの世の中というけれど、物価の下落以上に所得の低下が大きいので、全体としては家計が厳しくなってきていると思う。
そのせいもあるのだろうが、物が安くなったという実感がない。
しかし外食をすれば、たしかに安く食べられるところもけっこうある。しかし(また、しかしだが)、食べ物をそんなに安く提供して大丈夫なのか、と思う。
安ければありがたいが、ことは人間の体にかかわるのだ。安いものには理由がある。
まずいものをおいしいものに変える魔法の薬がある。それは「食品添加物」である。外食では完全にブラックボックスだからわからない。
スーパーでは、加工食品なら原材料名表示を見ればある程度わかるし、生鮮食品なら産地などの表示がある。もっとも、食品添加物の物質名をみても、それらはいったいどんな目的で使われ、人体にどんな影響があるのかわからないものが多い。
外食でさらに恐いのは、「遺伝子組み換え作物」である。とくに大豆とコーンは深刻である。どちらも100%近く輸入に頼っている。それらがすでに、ほぼ遺伝子組み換え物なのである。
大豆もコーンも加工食品に利用されるが、飼料としても使われるので、家畜の肉にも影響が出てくるだろう。
遺伝子組み換え食品の恐いところは、それを摂取することによって人体にどのような影響があらわれるかわからない、ということだ。
今のところ、いろいろなアレルギーが表出してくるのではないか、といわれている。まちがっても、人々が武器を捨て、人種の壁を越え、格差を乗り越え手をたずさえるようになるーーなどという学者や専門家はいない。
さらには、放射能汚染の問題。国産物はすでに汚染が拡散し、汚染から逃げられないと思ったほうがよさそうである。もちろんこれは外食にかぎらない。
最近では、中国産の安い米が出まわっている。安いからよく売れているそうである。国産米で十分需要を満たすことができるのに、あえて安い米を輸入する業者がいる。
ことは「米」である。日本人の矜持はどこへいったのか。今安いものを手に入れさえすればいい、という考えはまちがっていると思う。
そういうことが進むと、業界やシステムが変わってしまって、取り返しがつかないことになりかねない。とくに農業はそうである。
だから一時の問題ではなく、後の世代に大きなツケを残すことになるだろう。原発の問題も同じだろう。
ーーま、でも直ちに健康に影響はないので、ときどき外食するんだよなぁ。できれば安いと助かるし。(;O;)
(photo:ヘルシンキにて)