Heavy(蛇)な年、2013年
ペットとして蛇は飼育が楽らしい。種類にもよるだろうが、少しぐらい長く放っておいても平気だし、来客時には部屋の隅でじっとしているらしい。
散歩に連れ出す必要もないけれど、飼い主の気持ちとしては犬や猫とおなじように、人に自慢したくなるときもあるのではないだろうか。
でも、「かわいいでしょ? あ、大丈夫です、うちの子は何もしませんよ」と、すれちがいざまにいわれても、たいていの人は凍りつき一目散に逃げるだろうけれど……。
かように、人間にとって嫌われものの「蛇」が今年の十二支である。
ーー美味しそうな果実に手を伸ばすと、それは食えない「蛇苺」だった。「蛇頭」が仕組んだ罠にはまってしまったのだ。「蛇蝎」のような彼らだが、しかしこの際しかたがない。「蛇の道は蛇」だ。
などと例文をつくってしまったが、「蛇」はほとんどあまりいい意味には使われない。
ほかにも、中国語では「画蛇添足」という熟語がある。よけいなものを付け加える、日本の「蛇足」の意味とほぼ同じである。
「虚与委蛇」ということばも興味深い。うわべだけ相手と調子を合わせることをいう。たいていの日本人は、ちょっとドキリとしてしまうのではないだろうか。
しかし一方、蛇は畏敬の対象であったり幸運の神であったりもするので、人間の蛇に対する思いは複雑である。
蛇は、生態系にとっても食物連鎖上重要な位置にあることから、やはり神聖な生き物なのだろう。
そんな蛇年の一年がはじまるが、できれば長いものに巻かれないように、蛇蝎に脅かされないよう生きていきたいものである。
とりあえず、2013年に乾杯である。とりあえず、といえばビールだが、その原料となるホップは中国語で「蛇麻」というようだ。
ーーあけましておめでとうございます。今年もどうぞよろしくお願いいたします。<(_ _)>
(photo:槍の肩より)