日本モードと今後

 入国審査を終えて空港を出た瞬間に、体内の日中モード切り替えスイッチが自動的にオフになった。
 ほっとして青空を見上げ、空気がきれいだと思ってしまった自分は、やはり少しうかつで鈍感になっていたかもしれない。
 日本は、依然として放射能が降りそそぐ国だった。そのことを思い出した。そうやって慣れてしまうのが恐い。
 実際にはどれだけの汚染がどの程度ひろがっているのか、いろいろ情報を手に入れることはできるが、どれが正しいのかわからない。正しい情報があるのかどうかさえわからないのであった。
 まあそれはそれとして、日本モードに戻ってしまうと、あらためて彼の国とのテンションの落差を実感する。そして、過去のことが脳裏にある日本人なら、余計な緊張も付加される。ただし、日中関係が良好であればさほど気にすることもないが。
 中国人の日本(あるいは日本人)への思いは、以前ほどとくべつなものではない。最近では、なんだ日本人か、という程度なような気もする。
 これまでは身近な先進国として、ずっと羨望や尊敬、あるいは嫉妬をあつめてきたけれど、もうそんな時代は終わったようだ。
 日本語を学ぶ学生たちはまだ多いが、なんてったって英語の勢いにはかなわない。かつて日本が西欧文化を取り入れて発展したように、太平洋のかなたのアメリカや、そのまたかなたのヨーロッパ先進国に、若者の目は向いている。
 誇り高き中華思想の国の人々が、日本のように無節操にあちらの文化を受け入れるかどうかは、これからの話しである。
 しかし少なくとも最近では、クリスマスを恋人とすごし、ハロウィーンなども抵抗なく楽しむ若者が増えてきているのも事実である。
 さて、僕もこのブログでずいぶんいろいろなことを勝手にほざいてきた。でも、中国という国の一部を紹介できたかどうか自信がない。僕のような、網の目が均一ではないフィルターを通してのことだから、なおさらだ。
 これまで立ち寄っていただいた方々には、ほんとうに感謝します。これから、日本モードでどんなことが書けるのか自分でもわかりません。でも、もう少しつづけようかな、と思っています。(^_^;)
(photo:これも記念撮影かしら)