連休とは何か

 中国の4月4日は清明節である。学校や企業によっては独自の休み方をするところもあるが、基本的には3日〜5日の3連休である。
 中国では、春節の大連休を除けば、こういったケースの連休が年に何回かある。しかし、前後の土曜日曜の休みを移動させて寄せたりするので、ありがたく味はいまいちだ。
 しかも、ここぞとばかりに人民大移動が起こるので、出かけるときは覚悟と気合いが必要だ。もちろん、交通機関のチケットなどは、発売と同時に瞬間完売してしまうところも多いので、気合いだけでは計画はうまくいかない。
 僕の場合は、なんとか厦門(アモイ)往復の高速鉄道チケットを入手できた。連れ合いが来るというので、気合いとすばやい行動が功を奏した。
 それはよかったのだが、中国人民の余暇活動の実態までは予測できなかった。島国思考に慣れてしまった空っぽ頭にとっては、まったくの想定外だったからだ。
 はっきりいえば、人の多さにあきれたのである。もっとも、日本でも連休になればそんなもんだろうと思うが、観光地の狂乱に対応する免疫力があまりない者にとっては、かなりのストレスである。
 厦門といえば、厦門島を中心にして栄えた歴史のある港町である。その厦門島の西南洋上に、厦門島からこぼれ落ちたように浮かんでいる小さな島がある。コロンス島である。
 コロンス島は、アヘン戦争以来、諸外国の租界地として発展した島である。そのため、そこには異国情緒がたっぷり残る、一種独特なふんいきがある。
 そこへ大勢の人々が押しかけるわけだから、せまい島は人を乗せた大きな船のようになり、人心地がつく空きスペースを見つけるのが一苦労となるのである。
 厦門名刹、南普陀寺も、初詣かと錯覚するような喧噪だった。先祖を供養する清明節だからなおのこと、だったのかもしれないが。
 蘇州に住む中国人の友人に、土日利用ではせわしないので、いつか連休に南京へ行きたいともらしたら、連休だけはやめておけ、といわれた。
 今その意味を理解した。(^_^)
(photo:コロンス島、日光岩から)