大きいことはいいことだ

 ただヒマにまかせて、あちこち物見遊山に出かけているわけではないのである。一応ちゃんとテーマはあるのだ。
 仕事に行ったのなら、休日は身体を休めてゆっくりしろ、などとときどき連れ合いから文句をいわれる。
 心配してくれているのはありがたいが、異国の、異文化の誘惑には弱い。まあ、異国の美女の誘惑がないのはいささか残念だが。
 さて、泉州では、この地に生まれた鄭成功という人物が有名である。明朝末期、清に抵抗した闘将として絶大なる人気を誇る偉人である。
 母が日本人なので、日本とも関係が深い。そのせいかどうかはわからないが、地元の人たちの日本人に対する感情は悪くない。
 鄭成功にまつわる見所は泉州に点在しているが、とりわけ目をひくのが、泉州市内の東端にある大坪山頂上に造られた騎馬銅像である。2007年完成だから、まだ新しい。
 それは、遠くからでも目につくが、大きさの想像がつかなかった。しかし、現場に行ってみると尋常なスケールではなかった。全高38m、世界一の銅像だそうである(写真参照)。
 中国人の面目躍如である。このバカでかさ。
 この国が作るものはとにかく大きい。市内には大きな博物館がふたつあるが、やたら箱がでかくて凝った造りをしている。ここの維持管理、空調に使うエネルギーだけでも、相当なものだろう。
 空港や駅なんかももちろん巨大だ。日本のようなチマチマ感がまるでない。国土が広いからできるのだろうが、共産党政権だからできることなのかもしれない。
 とにかく人が多いから、いっぺんに人が押し寄せても対処できるようにしてあるのではないだろうか。
 その流れでいくと、ぐっと物は小さくなるが、高級に見せるための商品の過剰包装も目立つ。見た目が大事なのだろう。
 それと似ているが、僕が寮や教員室で使っている回転椅子の肘置きは、前後にやたらに長い。回転させたとき、机に当たるのでとてもうっとうしい。少なくとも10cmは短くていい。
 鄭成功から一気にスケールの小さい話しになってしまった。(-。-;)
(photo:休日は大賑わい)