学生的休日の過ごし方

 週明けの月曜日の朝には、よく学生にウォーミングアップも兼ねて、週末にしたことや行ったところを質問したりしている。
 めんどくさそうに彼らは答えるが、そのなかに「寝ました/寝ていました」のたぐいの答えが多いことに気がつき、ずいぶんいらだってもいた。
 じゃあ、朝の昼も夜も土曜日も日曜日もずっと寝ていたのか、と意地悪な問い返しをしたこともあった。寝るのはみんな同じだから、その答えは認めない、といったこともあった。
 ところが実情を知ると、彼らはほんとうによく寝る、ということがわかってきた。休みに寝るのが楽しみだ、と、疲れた中年サラリーマンのようなことをいう学生もいるのである。
 何に疲れるのか。彼らのほとんどは寮生活である。プライベートもない、せまい生活空間は確かにストレスだろう。しかし、それだけではなさそうである。
 彼らの多くは、中学校を卒業後、親元からはなれてずっと寄宿生活をしている。実家が遠いので、週末にもなかなか帰れない学生も少なくない。それに、まだ十分親に甘えたい年頃ではある。寮に仲のいい友だちはいても、どこかライバルでもある。
 そんな環境や背景がストレスを生み、彼らを疲れさせる。それも理解できる。とはいえ、くたびれたおじさん先生では彼らの心の滋養にはなるまいしなぁ。
 などと多少の同情心を持っていたが、振り返って自分のことを考えてみると、僕も若い頃はずいぶん寝ていたような気がする。起きるともう昼をまわっていて、オレの休日はどこへいったと嘆き、途方に暮れたこともしょっちゅうだった。
 つまり夜更かしである。ちゃんと早く寝ればいいのである。明白了。
 最近は質問のしかたを変えた。「何時に寝たの?/何時に起きたの?」に方針を変更した。そこから話しを引き出し、寝る方向へは持っていかないようにしている。(^^)
(photo:たまには山登りも。足が壊れた)